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住宅事情

 
かってドイツでは、街中よりも郊外の田舎のアパートの方が家賃が高い不思議な現象がありました。都会の喧騒から離れて、緑の多い郊外で子供と一緒に住みたいというドイツ人の心情を反映して、郊外の住宅の需要が高かったためです。ところが2010年頃からドイツにも都市化の波がやってきました。
店舗は購買力のある市民の多い都市部に集中を始め、医師も客の多い都市部で開業するようになると、田舎では買い物は言うに及ばす、医者にも困るようになりました。こうして徐々に、しかし着実に都市部の人口が増え始めました。現在では郊外の不動産の価値はさがる一方で、都市部の家賃は上昇の一途です。その極みがミュンヘンのような大都市です。アパートの空きが掲載されると入居希望者が殺到します。そこで"oeffentliche Besichtigung"(公開見学日)を指定、この日にまとめて見学を行います。そこにはアパートの外まで続く長い列が出来ており、あまりの希望者の多さに圧倒されます。
これは何も大都市に限った現象ではありません。ボンのようなテレコムなどの大企業が数多くある町では、大都市でもないのに家賃は高いです。その他、欧州の金融の中心地であるフランクフルト、ドイツで一番お金持ちの多い町と言われるハンブルク、環境都市として日本でも有名なフライブルクなどの都市では需要が供給を上回っており、家賃は高く、アパート探しはかなり困難です。
ドイツでは大学が始まる前の時期、2月〜3月及び、8月〜9月にかけ、大学生がゼミの始まる前に引越しを済ませるべく、ドイツを大移動します。この時期は同時に大学卒業の時期でもあり、学生寮、アパ-トの空きがでる時期ですので、ドイツで安価なアパートや部屋を探す場合は、この時期にドイツに来て、アパ-ト捜しをするのが理想的です。
肝心の家賃ですが、2014年のミュンヘンの家賃の平均値は30uまでのアパートで19.81ユーロ/u、60uまでのアパートで14.25ユーロ/uです。すなわち30uのアパートの家賃は594.3ユーロ/kalt、60uのアパートで855ユーロ/kaltです。これに雑費が加わると、30uのアパートの家賃は655ユーロ/warm、60uまでのアパートで930ユーロ/warmです。これにドイツの高い電気代が加わります。すなわち30uのアパートでも、毎月、700ユーロは最低限必要です。ミュンヘンに住みたいなら。
しかし、皆さんがミュンヘンに留学されるわけではありません。デユッセルドルフでは家賃の平均値は30uまでのアパートで12.13ユーロ/u、60uまでのアパートで8.97ユーロ/uです。すなわち30uのアパートなら450ユーロ/warmです。これはあくまで平均値で、町の中心部はもっと高く、治安の不安な中央駅周辺や外国人が多く住む地域はもっと安いです。「このアパート安い!」と値段だけで決めると、隣が風俗店だったり、飛行機が屋根の上を飛んでいたりと、何かしら落とし穴があります。
「そんなお金はありません!」と、言われる方、ご安心ください。それは、あなただけではありません。ドイツでは学生が集まってアパートを借り、部屋をシェアする居住形態が一般的ですので、このタイプなら(狭い部屋でいいなら)250ユーロくらいから部屋が見つかります。
アパ−トを探す。
ドイツでアパ−トを探す場合の最も一般的な方法は、インターネットです。大学生なら大学での張り紙を見て連絡を取る方法もありますが、やはりメインはインターネット。勿論、不動産業者を通す方法もありますが、不動産業者もインターネットで物件を掲載していますので、インターネットで探すのが一番早いです。そこでインターネットに掲載されている物件を見て、アパートを探す事になるのですが、これがなかなか大変です。
基本的にドイツ人は、見知らぬ人からのメールには返事をしません。ましてやそれが英語で書かれていたり、明らかに外国人のもともわかるつたないドイツ語でかかれていれば、なおさらです。日本でも、「外国人はゴミだしのルールを守らない。」と思われることが多いように、ドイツでも、「外国人はルールを知らないので、トラブルになる。」と思うためです。とりわけすでにドイツ人の候補者が興味を見せている場合、外国人の問い合わせに返事を書いてくれる人は多くはありません。それでも負けないで問い合わせを送りつづけていると、いつかは外国人に何も偏見を持っていない人に出会えます。
そんな大家さんの心配事は、「家賃を滞納しないで定期的に払ってくれるかどうか。」と、「半年じゃなくて、長く住んでくれる人かどうか。」です。余計な心配をさせないように、アパートの見学にはきれいな服装で(お金がある)、時間通りに行く(約束を守る)事が大切です。約束の時間さえ守れないと、「契約も守れない。」と思われちゃいます。



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Wohnung/Appartment(アパ-ト)

 
やはり一番快適なのが、一人で気軽に住めるアパート住まいですが、費用的には一番高くなります。アパートを借りる場合、家賃の他に"Nebenkosten"(雑費)なるものが加算され、これが大家に支払う家賃の総額になります。通常、家賃のみの場合「kalt」と表示され、雑費が入った家賃の場合、「warm」と表示されます。
ここで注意して欲しいのは暖房費です。寒いドイツでは暖房費が馬鹿になりません。雑費に暖房費が含まれていない場合、小さなアパートでも毎月40ユーロ程度の暖房費がさらに家賃に加算されます。これを知らないでいると、春先には驚きが待っています。ドイツでは春先に雑費の年末調整があり、ここで雑費を清算します。暖房費を払っていない場合、暖房費だけで40x12=480ユーロもの請求が来ます。「そんな話は聞いていません!」と苦情を言われる日本人も少なくありません。契約する前に、"Nebenkosten"に暖房費が含まれているかどうか、確認しましょう。
「暖房は冬しか使わないのに、何故、夏も暖房費を払うのですか。」と不思議に思われる方も多いです。暖房費は、1年に使用した暖房費+暖房施設の整備費用からなります。私が住んでいたアパートでは、暖房設備の整備費用が300ユーロを越えていました。整備費用は夏でも必要なので、夏だけアパートを借りても、暖房の整備費はかかります。これに実際の暖房費、ドイツでは暖房に主としてガスか軽油が使われますが、の130ユーロが加わり、合計430ユーロ。これに消費税の19%が加わり、511,70ユーロ。これを1回で払うとしんどいので、1年/12回に分けて支払うのです。又、ドイツの夏は寒く、最低気温が3度になることもあり、夏でも暖房が必要になることもあります。
通常、Nebenkostenには水道代金も含まれていますが、これは使用量を予想した料金が含まれています。年末には実際に使用した水道量(料金)とこれまでに払った料金の年末調整が行われます。ドイツの水道代金は欧州で一番高いので、毎日お風呂に入っていると、年末には水道代金だけで200〜300EURもの追加支払い要求が来ることもあります。(倹約家のドイツ人は、シャワーを週に数回しか浴びません。)
これに実際に使用する電気代、アパートによりガス代金が加わって、実際に毎月かかる家賃になります。大まかに言えば、管理費、暖房費、それに光熱費で家賃がさらに100EURくらい脹らみますので、家賃について尋ねる場合、kaltとwarmにはよく注意してください。
ドイツのアパートは、日本と同じように家具のついていないアパートが一般的です。日本と違うのは、キッチンには排水のパイプ中がにょっきり出ているだけ。そう、ドイツでは新居にあわせて自分でキッチンを購入して、設置します。さらには天井からは配線が垂れています。そう、ドイツでは室内灯も自で設置するんです。ですから、アパートを借りてもすぐに住むことはできません。中にはキッチンがついているアパート、さらには"voll moebeliert"と書かれて、机、椅子、冷蔵庫、ベットなどが付いている物件もあります。後者のようなアパートは、通常、短期滞在用ですから、家賃が2割程度高めに設定されています。又、家具のついていないアパートでも、住んでいる住人が引越しの際に、すべての家具を持って移動するのは不可能なので、家具の買取などの取引が必要になる事もあります。
ドイツでアパートを借りる場合の利点は、礼金や家賃保険費用などという、お金がかかる慣習がない事。直接大家と契約すれば、支払うのは家賃/kaltの3か月分の保証金のみ。鍵の交換が必要な場合は、大家が行います。日本のような抗菌処置費用、火災保険費用、安心サポートサービスパック料金もありません。結果、日本では100万円かかる入居費用が、その半額以下で済みます。
さてアパートの契約をする場合、アパートのリノベーションに注意してください。ドイツではアパ−トの引渡しにあたって、賃貸人がアパートの改装工事(リノベーション)をする義務があり、大家はアパートが入居時と同じ状態で返されることを要求します。湿気で壁にカビが生えていたり、タバコの煙で壁紙がくすんでいたら、壁を塗り替える必要があります。リノベーションが終わって大家の厳しいチェックを受け、通常は、「ここはやり直し。」と指摘されますが、これも補修して、ようやく保証金が返却される事になります。 このリノベーションを業者に頼むと、30u程度の一人住まいのアパートでも500〜600EURくらいの費用がかかります。ただし、アパートに入居される際に部屋がリノベーションされていなれば、勿論、アパートを出る際もリノベーションをする必要はありません。しかし、こうした事情を知らない外国人の弱みに付け込んで、契約書にこっそり「アパートを出る際はリノベーションをする事。」と条件を書き込む大家も居ますので、契約書のサインには要注意。
さらにドイツでは、「日本に帰るので、今月でアパートの契約を解約したい。」なんて簡単にはいきません。契約書に解約の際の通告期間が明記されています。以前は、解約通知期間は契約期間に準じて変化するものでしたが、2005年に最高裁の判決が出て、解約通知期間は契約期間の長短にかかわらず3ケ月になりました。すなわち契約を3月末で解約するなら、1月の第一週までに書面で通告する必要があります。これを怠ってしまい、1月中旬に解約通知送ってしまうと、賃貸人は4月末までの家賃を払う義務があります。これを回避するには、4月からアパートに入ってくれる人を自分で探す必要があります。又、ドイツではアパートの契約は月の終わりに解約するものです。月の途中の日付で契約を解約する習慣はありません。
換気しよう!
ドイツのアパートを見学に行ったら、窓枠に手をかざしてみてください。日本の「隙間サッシ」と違い、隙間風は一切、入ってきません。安めの物件なら、木製のサッシ(泥棒が侵入しやすい)。2000年以降に建てられた物件では、合成(剛性)プラスチック。どちらの場合でも熱の伝導率が悪いので、IH対応のフライパンのようにアルミで出来ているサッシと違い、寒い外気を完全にシャットアウトしてくれます。これに加えて壁に断熱材が入っているので、冬に気温がマイナス10度に下がっても、部屋の中で暖かく過ごせます。(断熱工事をしているアパートの話。)
問題は湿気。日本の家屋は密閉性が悪く、壁やサッシから暖かい湿った空気が逃げて、外から乾いた寒い空気が入っているので、加湿器なんて家電製品までありますが、ドイツでは加湿器は必要ありません。逆に気密性がいいので、換気をして暖かい湿った空気を入れ替えないと、壁に黒いカビが生えてきます。特に浴槽。シャワーを使用したら、シャワー室に続く部屋のドアを全開して、湿気を逃がせてください。真冬でも。
ところが日本でそのような慣習がないので、始めてドイツに住む方は、浴室や部屋にカビを生やしてしまいます。ちょっと生えた程度なら、アパートの改装工事の際に、上からペンキを塗るだけで済みます。全く換気をしていないのでカビが大繁殖した場合、このカビは喘息の原因にもなるので、壁紙をはがし、必要なら壁を削り取る大工事になります。大改装が必要になると、払っている3か月分の保証金では、工事費用は払えません。引越しでお金のかかるのに、さらなる大出費になります。これを避けるには毎朝、料理の後、シャワーの後、最低3回は家のドアを全開して湿気を逃がすことをお忘れなく。



ペット
稀に留学される際に日本で飼われていたペット(犬、猫)を連れてこられる方がおられますが、これは極力避けるべきです。
ドイツ人(日本でも同じだと思いますが)大家は、賃貸人に「アパートを綺麗に使って欲しい。」という切なる望みがあります。数百(千)万もするアパートを見知らぬ人に貸すわけですから、これは当然です。
この為、賃貸人がペットを連れて入居するのを極端に嫌がります。 又、外国人にアパートを貸すこと自体が、大家にとって「冒険」ですから、ペット同伴の外国人となると、アパートを貸してくれる大家は、とても少ないです。この為、留学される際は、どんなにかわいいペットでも日本に置いてから、渡独してください。ドイツに長く住んでいると、ペットを飼っていいアパートも見つかりますから、それからペットを連れてくることをお勧めします。


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Wohngemeinschaft(WG)/(共同生活)

 
最も一般的な学生の生活様式です。3部屋、4部屋とあるアパートを学生が集まって賃貸契約を大家と結び、各部屋をそれぞれ学生たちが使用するわけです。この生活の一番の得点は、比較的コストが安く上がる点です。洗濯機、キッチン、冷蔵庫などアパートの住人で共同使用しますので、空きが出てからWGに入れば、自分の部屋の家具さえ揃えば、あとは何も買う必要がありません。
この生活の欠点は、やはり共同生活に伴う弊害です。ドイツ人は、自分の家のキッチンなどは毎日磨き上げて、しみなどひとつもないくらいですが、共同生活になるとどうでもいいらしく、キッチンは荒れ放題、トイレに至っては、、、という事もあります。共同生活に慣れていない人は避ける方が賢明かもしれません。しかし、金銭的理由でアパートなど借りれない場合は、仕方ありません。この場合、できるだけ多くのWGを見学して、良さそうな部屋を探す事が必要です。 しかし、気に入った部屋(WG)が見つかったから、必ずしも部屋が借りられる分けではありません。
日本でも外国人がアパートを借りるのはかなり大変ですから、ドイツ人が外国人の受け入れに慎重になっても、これは無理もありません。当然、部屋を借りる前にWGの住人達の面接があり、これをパスをする必要があります。学生は外国人に対して偏見が少ないので、比較的、外国人でも部屋を確保し易いですが、住人達が以前に外国人を受け入れて嫌な体験をした後だと「外国人は嫌だな。」「ドイツ語ができないから、意思の疎通ができない。」などの理由で入居を断る場合もあります。
 
語学学校が仲介するWG
WGというと学生が集まって済む共同生活を想像してしまいますが、WGはその名の通り、共同生活を意味するもので、そこに住む人の職業、年齢、性別を定義しているものではありません。ですから社会人の住むWGも有ります。こうした「誤解」が原因で、語学学校などに宿泊先(WG)の手配を頼んだ場合、お客様が予想していたWGと異なる場合があります。これについてはこちらで詳しく説明しておきましたので、一度、ご参照ください。


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Studentenwohnheim(学生寮)

 
 学生寮の部屋が取れれば、最大の問題が解決しますが、そう簡単にはいきません。どこの大学でも、学生寮は順番待ちの学生で一杯です。申請をして、早い場合で半年、遅い場合1年以上順番待ちをするのが通常です。さらに語学コースの学生のうちはまだ正規の学生とみなされず、学生寮の申請ができない場合もあります。
ドイツの学生寮では、トイレ、シャワー、キッチンなど共同使用になります。中には部屋にトイレはおろか、キッチンまでついている学生寮もありますが、こうしたハイグレードな学生寮は奨学生、あるいは交換留学生に割り当て割れます。一般の学生がそのようなハイグレードの学生寮の部屋をもらえる可能性はあまり高くありません。
ハイグレードな学生寮では、インターネットも完備されています。ただし違法ダウンロード防止の目的で、違法ダウンロードをした下手人がわかるようにケーブルを使用してのネット接続になります。一般の学生寮では電話回線が部屋まで通っていることが多いので、ここにプロバイダーと契約を結べばインターネットが使用できます。
一般学生向きの学生寮では、4〜5部屋でWGを構成する作りの学生寮と、階層ごとに分かれて、その階に住んでいる学生(20人程度)とキッチン、トイレなどを共有する場合があります。後者の場合、盗難が多くなる傾向があります。この為、各自のロッカーが割り当てられますので、皿、鍋、フライパンなどの貴重品(?)はちゃんとロッカーしまって鍵をかけておきましょう。

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Gastfamilie(ホームステイ)

 
ホームステイを宿泊先に選ばれる場合、すでにドイツ語で会話ができることが望ましいです。「ホームステイして会話の機会を多く設けて、会話能力を上達させたい。」と希望されている方、ご注意ください。ステイ先の家族もできる限り意思の疎通に努力してくれますが、如何せん、言葉が通じないとストレスになり、関係が悪化します。
日本人がよくやる間違いで一番まずいのが、何を言っているのかわからないのにJa!と言ってしまう事です。すごく当たり前の事ですが、わからない場合は、「わからない。」 "Wie Bitte?" と何度でも言おう。そうすれば、相手もこちらが理解できていないとわかるから、別の方法で説明しようとしたり、最悪の場合でも誤解が避けられます。
ドイツで一番嫌われるのは、意思表示をしない事です。「コーヒーにしますか、それとも紅茶にしますか?」と聞かれて、「どっちでも。」と答えるのと、「この人には意見がないのか?」と、ドイツ人にはマイナスイメージ映ります。ドイツ語には、「気を利かす」という言葉が辞書にありません。ですから、我々日本人がいくら気を利かしても、全く通じません。 「郷に入れば、郷に従え。」です。何が欲しいのか、何が嫌なのか、ちゃんと意思表示をする事がドイツ人家庭で楽しい体験をする前提条件です。それには会話できるドイツ語能力が必要ですので、まだ会話ができないうちはホームステイは避けたほうが賢明です。


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